できること
組織リソースのコード管理
OpenAI の組織リソースを、Terraform の構成ファイルとして infrastructure as code で管理できます。
幅広いリソースを扱える
プロジェクト、ユーザー、グループ、ロール、アクセス割り当て、サービスアカウント、証明書、招待、プロジェクト単位のレート制限、spend alerts、関連するプロジェクト設定をプロビジョニング・管理できます。
標準ワークフローで運用
標準的な Terraform のワークフローで、変更のレビューと適用、既存リソースのインポート、構成ドリフトの検出と解消ができます。
機能解説
概要
内部では Administration API を使い、プロジェクト、ユーザー、グループ、ロール、サービスアカウント、証明書、レート制限、spend alerts(支出アラート)などを扱います。OpenAI API Platform の組織設定を、Terraform の構成ファイルとして管理したい場面に関わる機能です。
OpenAI Terraform provider は、OpenAI が提供する公式の Terraform プロバイダーです。Administration API を通じて、OpenAI の組織リソースをコードで管理します。
扱えるリソースは次のとおりです。
- プロジェクト、関連するプロジェクト設定
- ユーザー、グループ、ロール、アクセス割り当て、招待
- サービスアカウント、証明書
- レート制限(プロジェクト単位)、spend alerts
認証とプロバイダーの設定
Administration API のエンドポイントには Admin API キーが必要です。Admin API キーは、管理用以外の OpenAI API エンドポイントでは使えません。
- プロバイダーは既定で環境変数
OPENAI_ADMIN_KEYを読み取ります。 - 任意で
OPENAI_ORG_IDとOPENAI_PROJECT_IDを設定すると、API リクエストにOpenAI-OrganizationヘッダーとOpenAI-Projectヘッダーが付きます。 - これらの任意の変数を設定しない場合、組織とプロジェクトは API キーから判定されます。
プロバイダーのバージョン管理
.terraform.lock.hcl をソース管理にコミットしておくと、以後の実行で同じプロバイダーのバージョンが選ばれます。バージョンを上げるときは terraform init -upgrade を実行します。バージョン制約で許される範囲の最新のプロバイダーが選ばれます。
提供状況の注意
公式の OpenAI Terraform provider は 2026 年 7 月 29 日にリリースされました。対象プランや提供地域は、公式のリリースノートには記載がありません。
使い方
プロバイダーは Terraform Registry からインストールします。以下は、プロジェクトを 1 つ作成する流れです。
- 新しいディレクトリを作り、
main.tfを追加します。このファイルでopenai/openaiプロバイダーを要求し、provider "openai" {}を宣言し、openai_projectリソースとproject_idの output を定義します。 - Admin API キーを環境変数に設定します。例:
export OPENAI_ADMIN_KEY="<your-admin-api-key>" terraform initで作業ディレクトリを初期化し、terraform fmtとterraform validateで構成を整形・検証します。- ロックファイル
.terraform.lock.hclをソース管理にコミットします。以後の実行で同じプロバイダーのバージョンが選ばれます。 terraform planを実行し、Terraform が行う変更を確認します。この例では、追加されるopenai_projectリソースが 1 つ表示されます。- 内容を確認したら
terraform applyを実行し、確認を求められたら承認します。Terraform がプロジェクトを作成し、project_idの output からその ID を表示します。
利用シーン
プロジェクト、ユーザー、ロールなどの組織構成をリポジトリで管理し、変更を terraform plan でレビューしてから適用する運用に向いています。
管理画面などで作成済みの既存リソースを Terraform に取り込み、コードでの管理に移す場面に使えます。
定義した構成と実際の組織設定とのずれ(構成ドリフト)を検出し、解消する場面に使えます。
プロジェクト単位のレート制限や spend alerts の設定を、構成ファイルとしてまとめて管理する場面に向いています。
Claude・Anthropic の対応する機能
比較の単位となる業務: API 組織リソース (プロジェクト・ユーザー・ロール・レート制限等) のコードによる構成管理
同じく API リソースをファイルで管理する仕組みとして、Anthropic の ant CLI があります。ant CLI の ant apply は、リポジトリ内のファイルからエージェント、環境、スキル、メモリストア、デプロイメントを作成・更新します。OpenAI Terraform provider は、プロジェクト、ユーザー、ロール、サービスアカウント、レート制限などの組織リソースを Terraform で管理します。どちらもロックファイルのコミットを前提としています。ant CLI の claude-lock.json は以後の実行で新規作成ではなく同じリソースを更新するために使い、OpenAI Terraform provider の .terraform.lock.hcl は以後の実行で同じプロバイダーのバージョンを選ぶために使います。
組織のユーザー管理については、Anthropic の Admin API が、Claude Enterprise 組織向けのベータとしてメンバーの一覧・ロール変更・招待・グループの管理などを提供しています。OpenAI Terraform provider は、OpenAI の Administration API と Admin API キーを使い、ユーザー、グループ、ロール、招待などを Terraform の構成として扱います。