できること
過去の文脈を引き継ぐ
利用可能な場合、過去のタスクから、安定した好み、プロジェクトの慣習、繰り返しの作業パターンなどの文脈を今後のスレッドに引き継げます。有効にすると、技術スタックやリポジトリの慣習も記憶できます。
チャットごとに選ぶ
現在のチャットが既存のメモリを使えるか、そのチャットを今後のメモリ生成に使えるかを、チャット単位で選べます。この選択は全体のメモリ設定を変えません。
生成と利用を設定で制御
新しいチャットをメモリ生成の入力にするか、既存のメモリを今後のセッションに注入するかを、設定で個別に制御できます。MCP ツール呼び出しや Web 検索などの外部コンテキストを使ったチャットを生成対象から外すこともできます。
機能解説
概要
ローカルの Codex クライアントは、ChatGPT web が使う ChatGPT memory とは別の、ローカルのメモリストアと制御を使います。メモリを有効にすると、Codex は対象となる過去のチャットから有用な文脈をローカルのメモリファイルにまとめます。
ローカルメモリの仕組み
メモリを有効にすると、Codex は対象となる過去のチャットから有用な文脈をローカルのメモリファイルにまとめます。生成には次の特徴があります。
- 実行中のセッションや短時間で終わったセッションは対象外にします。
- 生成したメモリの項目から秘密情報 (secrets) を伏せます。
- 各チャットの終了直後ではなく、バックグラウンドで更新します。進行中の作業を要約しないよう、チャットが十分な時間アイドル状態になるまで待ちます。
- Codex のレート制限の残り割合が設定したしきい値を下回る場合、バックグラウンドでの生成を見送る場合があります。
IDE 拡張機能は、接続先の Codex ホストのローカルメモリストアを使います。そのホストでメモリが有効な場合は、Codex CLI と同じチャット単位の制御を使います。
保存場所と memory v2
メモリは Codex のホームディレクトリの下に保存され、既定では ~/.codex です。新しい Codex ホームでメモリを有効にすると、CLI は既定で $CODEX_HOME/memories_v2/ を使います。すでに $CODEX_HOME/memories/ がある場合は、既定でそのストアを使い続けます。
memories.versionを設定すると、使うバージョンを明示的に選べます。- バージョンを明示せずに
memories.dual_write = falseとすると、新しいプロファイルでも v1 のままになります。 - 移行期間中は、デスクトップアプリでメモリを有効にした新しいローカルチャットが、新しいプロファイルでも
memories/から読み込み、memories/とmemories_v2/の両方に書き込む場合があります。
メモリファイルは生成された状態として扱います。トラブルシューティングの際や Codex のホームディレクトリを共有する前に中身を確認できますが、手で編集することを主な制御手段にはしません。
設定ファイルと CLI での制御
設定ファイルで有効にする場合は、config.toml の [features] に memories = true を追加します。関連する設定は次のとおりです。
memories.generate_memories: 新しく作成したチャットをメモリ生成の入力として保存するかを制御します。memories.use_memories: 既存のメモリを今後のセッションに注入するかを制御します。memories.disable_on_external_context:trueにすると、MCP ツール呼び出し、Web 検索、ツール検索などの外部コンテキストを使ったチャットをメモリ生成から外します。memories.min_rate_limit_remaining_percent: メモリ生成を始めるのに必要な、Codex のレート制限の残り割合の下限を制御します。memories.extract_model/memories.consolidation_model: チャットごとのメモリ抽出と、全体のメモリ統合に使うモデルをそれぞれ上書きします。
Codex CLI では、対話セッションで /memories を使い、現在のチャットが既存のローカルメモリを使えるか、今後のメモリの入力になるかを制御できます。
提供状況と運用上の注意
Memories は利用可能な環境で使える機能です。欧州経済領域、英国、スイスでは Memories は既定でオフです。対象プランについては、公式のリリースノートには記載がありません。
チームとして必ず守るべき指針は AGENTS.md やチェックイン済みのドキュメントに置きます。メモリは思い出しを助ける層として扱い、常に適用すべきルールの唯一の置き場所にはしません。
使い方
ローカルの Codex メモリは既定でオフのため、最初に有効にします。
- ChatGPT デスクトップアプリで Settings (設定) > Personalization (パーソナライズ) を開き、Enable Codex memories (Codex のメモリを有効にする) をオンにします。
- 同じ Settings (設定) > Personalization (パーソナライズ) で、Allow memories from tool-assisted chats (ツールを使ったチャットからのメモリを許可) を使い、MCP ツールや Web 検索を使ったチャットを今後のメモリに含めるかを選びます。
- チャットの中で
/memoriesを使い、そのチャットがローカルのメモリを使えるか、今後のメモリに反映されるかを選びます。 - 選択したマシンのメモリストアをリセットする場合は、Delete Codex memories (Codex のメモリを削除) を選び、確認します。
利用シーン
同じリポジトリで作業を重ねる中で、技術スタックやリポジトリの慣習を毎回説明し直す場面に使えます。
Cursor や Claude Code から Codex に移る際に、/import で project-scoped memories を移行する場面に使えます。
MCP ツールや Web 検索で得た外部の情報をメモリに残したくない場面では、ツールを使ったチャットを生成対象から外す設定が向いています。
機密を扱う作業など、特定のチャットだけメモリの利用や生成を止めたい場面には、/memories によるチャット単位の制御が向いています。
Claude・Anthropic の対応する機能
比較の単位となる業務: コーディングエージェントによる過去タスクからの好み・プロジェクト慣習の記憶と引き継ぎ
Claude アプリの Memory (メモリ) は、記憶している内容を Settings > Memory の Topics に一覧表示し、各項目を編集・削除できます。Codex のメモリはローカルのメモリファイルとして保存され、トラブルシューティングの際に中身を確認できますが、手で編集することを主な制御手段にはしません。リセットは、選択したマシンのメモリストアを削除する形で行います。
記憶に含める内容の絞り込みでは、Claude アプリは健康や信条などの話題を、Include sensitive topics in memory をオンにしない限りメモリに含めません。Codex は、MCP ツール呼び出しや Web 検索などの外部コンテキストを使ったチャットをメモリ生成から外す設定を備えています。
これまでの変更
Codex CLI 0.165.0 で、新規プロファイルでは memory v2 が既定で有効になり、外部エージェントのメモリを memory v2 に取り込めます。
Codex CLI 0.155.0 で、分離されたストレージを持つ設定可能なメモリバージョンが追加されました。同じ日に、メモリの二重書き込みと v2 の準備状況レポートも追加されました。
Codex CLI 0.145.0 で、memories をサポートする実験的なページ分割スレッド履歴が追加されました。
/importが拡張され、Cursor と Claude Code の project-scoped memories などを移行できます。有効にすると、好み、繰り返しのワークフロー、技術スタック、リポジトリの慣習を記憶できます。欧州経済領域、英国、スイスでは既定でオフです。
Memories が、利用可能な場合、過去のタスクから安定した好み、プロジェクトの慣習、繰り返しの作業パターンを今後のスレッドに引き継ぐ機能として案内されました。