できること
Web ページの閲覧と操作
アプリケーションが動かすブラウザで、Claude が Web ページを移動し、内容を読み取り、操作できます。デスクトップ全体ではなく、ブラウザのビューポート内で動作します。
要素の特定とフォーム入力
read_page はページのアクセシビリティツリーを [ref_2] のような参照付きのテキストで返し、find は「search field」のような自然言語の説明に合う要素を最大 20 件返します。form_input でフォーム要素の値を直接設定でき、位置を伴う操作には座標か要素の参照を指定できます。
コンソールと通信の確認
read_console と read_network を有効にすると、スクリーンショットを繰り返さずに、正しく動かないページの原因を Claude が調べられます。これらは既定では無効です。
機能解説
概要
Claude はアクセシビリティツリーや要素、フォーム、タブといったページの構造と、スクリーンショットやビューポート座標の両方を使ってページを扱います。各呼び出しはアプリケーション自身のブラウザ自動化の上で実行され、Anthropic 側では何も実行されません。API 経由でエージェントに Web ページ上の作業を任せる場面に関わる機能です。
browser use tool は、アプリケーションがホストするブラウザを操作するためのクライアントツールセット (browser_toolset_20260801) です。スクリーンショットとクリックによる操作に加えて、要素参照、フォーム入力、タブ管理、ダウンロードの報告、オプトインのファイルアップロードを備えています。
- ツール呼び出しはすべてアプリケーション側のブラウザ自動化で実行し、Anthropic 側では何も実行されません。
- 自社のツールや Anthropic が提供する他のツールと同じ
tools配列に並べて宣言できますが、1 つのリクエストに含められる browser ツールセットのエントリは 1 つだけです。 - computer use tool と一緒に宣言することもでき、両者はそれぞれの座標系 (こちらはビューポートのピクセル、computer use はデスクトップのスクリーンショットのピクセル) で独立して動作します。
メンバーツールの設定とバッチアクション
javascript_exec、file_upload、read_console、read_network の 4 つのメンバーは既定で無効で、有効にしたときだけ現れます。設定は configs で行い、変更したいメンバーだけを列挙します。列挙しなかったメンバーは既定の状態のままです。
"configs": {"file_upload": {"enabled": true}}
任意のメンバーは、実行側がそれを実装していて、タスクに必要なときだけ有効にします。
1 ターンに複数のメンバー呼び出しが含まれる場合はバッチアクションとして扱います。呼び出しを現れた順に実行し、最初の失敗で止め、それ以降の呼び出しには is_error: true と、正確に Not executed: an earlier action in this turn failed. という文で応答します。
タブとダウンロードの扱い
- Claude はタブを
tab_idで指定します。どのタブが存在するかはアプリケーション側が管理し、その状態をbrowser_stateコンテンツブロックで報告します。API がこのブロックをテキストに変換し、Claude はそのテキストを読みます。 - クリックや移動でファイルのダウンロードが始まった場合は、その呼び出しの結果の
state_changesで報告し、アプリケーション側で割り当てたdownload_idで結果同士を対応づけます。
提供状況の注意
- computer use と browser use の両ツールセットは、Claude API で Claude Fable 5、Claude Mythos 5、Claude Opus 5、Claude Sonnet 5、Claude Opus 4.8 に提供されています。
- Google Cloud でも同じモデル向けに両ツールセットを利用でき、リクエストには Claude API と同じ
toolsエントリを使います。 - SDK のクラスはベータです。
- 対象プランについては、公式のリリースノートには記載がありません。
管理者・導入時に確認したい点
- ブラウザ自体と各呼び出しの実行はアプリケーション側が担い、Anthropic 側では何も実行されません。
- browser use tool を使うと、ページのテキストやスクリーンショットなどブラウザが返す内容を分類器が自動で調べ、プロンプトインジェクションの疑いがあるものを検出します。
- JavaScript の実行やファイルアップロード、コンソール・ネットワークの読み取りは既定で無効で、明示的に有効にしたときだけ使われます。
- Python と TypeScript の SDK には、browser use tool と computer use tool 用のクラスがベータで用意されています。クラスをサブクラス化して、自社のブラウザ自動化に対してツールごとにメソッドを書くと、SDK がツールループ、ブラウザ向けに設定した URL・ファイルのポリシー、承認コールバックを実行します。
使い方
Messages API のリクエストに組み込み、アプリケーション側でツール呼び出しを実行して結果を返す流れで使います。
- Messages API リクエストの
tools配列に、type がbrowser_toolset_20260801のエントリをnameなしで 1 つ追加します。 - Web ページを扱う作業を求めるユーザープロンプトを含めます (例: 「Open example.com/docs and tell me how to get started.」)。
- Claude は 1 回のアシスタントターンで 1 つ以上の
tool_useブロックを返します。各ブロックのnameはメンバーツール名で、"toolset_name": "browser"を持ち、レスポンスのstop_reasonはtool_useです。 response.contentにあるすべてのtool_useブロックを、現れた順に 1 つずつ実行します。- 各ブロックに対応する
tool_resultを新しいuserメッセージでtool_use_idを合わせて返し、それぞれに"toolset_name": "browser"を付けます。すべての呼び出しに応答しないと、次のリクエストは拒否されます。 - Claude は結果を読み、さらに情報が必要なら追加の呼び出しを返し、そうでなければユーザーへのテキスト応答を返します。
利用シーン
指定した Web ページを開いて内容を読み取り、質問に答えさせる作業に使えます。
自社アプリケーションが管理するブラウザ上で、フォームへの値の入力を伴う定型作業に使えます。
読み込みが終わらない、ボタンが反応しないといったページの不具合について、コンソールや通信の記録から原因を調べる場面に向いています。
ChatGPT・OpenAI の対応する機能
比較の単位となる業務: API 経由でエージェントにブラウザやデスクトップを操作させるタスク自動化
OpenAI の Agents API に追加されたコンピューター操作 (Computer use) では、エージェントは OpenAI がホストするブラウザ内でタスクを進め、Web サイトへのアクセス承認とサインインは利用者のアプリケーション側で扱います。これに対して browser use tool は、アプリケーション自身がホストするブラウザを操作するツールセットで、各呼び出しはアプリケーション側のブラウザ自動化で実行され、Anthropic 側では何も実行されません。ブラウザをどちら側が動かすかが両者の違いです。
これまでの変更
Claude Haiku 5.5 では
computer_20250124が 400 エラーになり、Claude API と Google Cloud ではcomputer_toolset_20260801、Amazon Bedrock ではcomputer_20251124を使います。同日、Python と TypeScript の SDK に browser use tool と computer use tool 用のクラスがベータで追加されました。Claude Sonnet 5.5 では、Claude API と Google Cloud で以前の
computer_20251124が受け付けられません。Claude Opus 5.5 では、Claude API と Google Cloud の computer use に
computer_toolset_20260801が必要で、以前のcomputer_20251124は 400 エラーになります。Amazon Bedrock ではcomputer_20251124が引き続き動作します。computer use と browser use のツールセットが Google Cloud で利用可能になりました。
browser use tool (
browser_toolset_20260801) の提供が始まりました。同日、computer use tool が Claude API でcomputer_toolset_20260801ツールセットとしてベータを終了しました。このツールセットはベータヘッダーが不要で、1 ターンで複数のアクションを行うバッチアクション、既定で有効なズーム、configsによるメンバーごとの設定を備えます。以前のベータ版も引き続き利用できます。Computer use が Claude Opus 4.8 に対応しました。