できること
上位モデルへの途中相談
実行モデルが生成の途中でアドバイザーモデルに相談できます。アドバイザーは会話全体を読んで計画や軌道修正を返し、実行モデルはそれを受けてタスクを続けます。
他のツールとの併用
advisor tool はサーバー側・クライアント側のほかのツールと組み合わせて使えます。実行モデルは同じターンの中で Web 検索、アドバイザーの呼び出し、独自ツールの利用を行えます。
呼び出しと出力の上限設定
max_uses で 1 ターンあたりのアドバイザー呼び出しの最大回数を設定できます。ツール定義の max_tokens で、呼び出しごとのアドバイザーの出力 (thinking とテキストの合計) の上限を設定できます。
機能解説
概要
アドバイザーは会話全体を読み、計画や軌道修正を返します。そのあとのタスクは実行モデルが続けます。アドバイザーをいつ呼び出すかは、ほかのツールと同じように実行モデルが判断します。
仕組み
アドバイザーへの相談は、ひとつの /v1/messages リクエストの中で完結し、利用側で追加の往復は発生しません。例外は呼び出しの途中で一時停止したターンで、これは続きのリクエストで再開します。stop_reason が "pause_turn" で終わったターンを再開するには、そのアシスタントメッセージを server_tool_use ブロックを残したまま内容を変えずに messages に追加し、同じアドバイザーツールとベータヘッダーでもう一度リクエストを送ります。
アドバイザー自身はツールもコンテキスト管理も使わずに動きます。アドバイザーの thinking ブロックは結果が返る前に取り除かれ、実行モデルに届くのは助言のテキストだけです。
advisor_redacted_result の場合、encrypted_content フィールドには利用側で読めない不透明なデータが入ります。次のリクエストでサーバーがこれを復号し、平文として実行モデルのプロンプトに組み込みます。
アドバイザーの呼び出しが失敗した場合、実行モデルはエラーを受け取り、それ以降は助言なしで作業を続けます。リクエスト自体は失敗しません。
モデルの組み合わせ
アドバイザーモデルは Claude Sonnet 4.6 以上の性能のモデルで、かつ実行モデルと同等以上の性能である必要があります。
- 2026 年 5 月 28 日に、advisor tool は Claude Opus 4.8 に対応しました。
- Claude Sonnet 5.5 での変更点として、advisor tool は Claude Opus 4.8、Claude Opus 4.7、Claude Sonnet 5 をアドバイザーとして受け付けません。
呼び出し回数・出力・キャッシュの制御
- 1 ターンの呼び出し回数:
max_usesで 1 ターンに許可するアドバイザー呼び出しの最大回数を設定します。 - 会話全体の呼び出し回数: 会話全体で上限を設けるには、呼び出し回数をクライアント側で数え、上限に達したら
toolsからアドバイザーツールを外します。このとき、履歴からadvisor_tool_resultブロックは削除しません。 - 出力の上限: アドバイザーツール定義の
tools[].max_tokensで、呼び出しごとのアドバイザーの出力 (thinking とテキストの合計) に上限を設けます。最小値は 1024 です。アドバイザーモデル自体の出力上限を超える値を設定すると 400 エラーが返ります。 - 呼び出しの強制: 特定のリクエストで必ず相談させるには、
tool_choiceを{"type": "tool", "name": "advisor"}に設定します。Forcing tool use の制約が適用されます。 - アドバイザー側のキャッシュ: ツール定義に
cachingを設定すると、同じ会話内の呼び出しをまたいで、アドバイザー自身のやり取りに prompt caching が有効になります。
"caching": {"type": "ephemeral", "ttl": "5m"}ストリーミングと使用量の扱い
アドバイザーの推論はストリーミングされません。アドバイザーが動いている間、実行モデルのストリームは一時停止し、その後に結果全体がひとつのイベントで届きます。
アドバイザーの使用量は usage.iterations[] 配列に記録されます。トップレベルの usage フィールドは実行モデルのトークンだけを表します。
Claude Managed Agents での利用
Claude Managed Agents では、エージェントの multiagent ブロックに "advisor": {"type": "enabled", "model": ...} を設定すると、セッションのプライマリスレッドがターンの途中でそのモデルに相談できます。助言はレスポンス内の advisor_tool_result ブロックではなく、セッションのイベントストリーム上のスレッドイベントとして届きます。
使い方
advisor tool はベータとして提供されています。以下は Messages API で使う場合の流れです。
- リクエストにベータヘッダー
advisor-tool-2026-03-01を含めます。 - リクエストの
toolsに、type がadvisor_20260301のアドバイザーツールを、使うアドバイザーモデルを指定して追加します。 - 以降のリクエストでは、
advisor_tool_resultブロックを含むアシスタントの内容全体を、手を加えずにそのまま API に戻します。
利用シーン
低コストの実行モデルを中心にエージェントを動かしつつ、要所の判断だけ上位モデルの助言を加えたい場面に向いています。
長い作業の途中で、会話全体を踏まえた計画の立て直しや軌道修正を挟みたいエージェント処理に使えます。
Web 検索や独自ツールを使うエージェントに、同じターンの中で戦略面の相談を組み込みたい場面に使えます。
ChatGPT・OpenAI の対応する機能
比較の単位となる業務: 実行モデルへの上位モデルによる途中助言 (エージェントの戦略的判断支援)
Responses API の Multi-agent は、Responses API のリクエストの中でモデルにサブエージェントへ作業を委任させる機能で、2026 年 7 月 9 日にベータとして追加されました。advisor tool も 2026 年 4 月 9 日にベータとして提供開始された機能です。
両者は役割の分け方が異なります。Multi-agent では作業そのものをサブエージェントに委任します。advisor tool では、アドバイザーは会話全体を読んで計画や軌道修正を返すだけで、タスクは実行モデルが続けます。アドバイザー自身はツールを使わずに動きます。
これまでの変更
Claude Sonnet 5.5 での変更点として、Claude Opus 4.8、Claude Opus 4.7、Claude Sonnet 5 をアドバイザーとして受け付けなくなりました。
呼び出しごとのアドバイザーの出力を制限する
max_tokensパラメーターに対応しました。設定先はアドバイザーツール定義のtools[].max_tokensです。Claude Opus 4.8 に対応しました。
advisor tool がベータとして提供開始されました。利用にはベータヘッダー
advisor-tool-2026-03-01をリクエストに含めます。